〜すみだトリフォニーホール 新日本フィル共同企画〜フランス・ブリュッヘン指揮「ベートーヴェン・プロジェクト」開演迫る!!

 いよいよ古楽界の巨匠フランス・ブリュッヘンと新日本フィルによるベートーヴェン交響曲全曲演奏会が幕を開ける。2/8からの本番を前に、1/28、プレス向けの公開リハーサルと記者会見が行われた。

 ブリュッヘン&新日本フィル「ベートーヴェン・プロジェクト」については、以前、速報としてその概要を書いた。詳細はそちらを参照いただくとして、今回はリハーサルと記者会見を通じて明らかになったことを中心にご紹介しよう。
 1/28のリハーサルで練習していたのは、交響曲第8番と9番。本番は2/19だ。まだ3週間ほど先だというのにそれを行っていたのには訳がある。本番では1番から作曲順に演奏するが、「我々の行く先に何が待っているかを前もって知る」ためには、演奏順とは逆に、9番からはじめて1番へと練習する必要がある、という意図からだ。

 ブリュッヘンは、ベートーヴェンの交響曲には大きなパターンがあるという。 「ベートーヴェンは1800年から1824年の24年間に、9曲の交響曲を書きました。第1番はハイドンの最後の交響曲からの発展で、大きな一歩を踏み出した作品です。第2番は少し後進します。第3番ではさらに大きく前進し、第4番でまた少し後進、それを繰り返し、第9番ではさらに大きな前進を遂げています」
 また、ベートーヴェンには多くの秘密が隠されているとし、ベートーヴェンの交響曲を作曲順に並べて演奏しそれを聴くことで、ベートーヴェンの作曲の足跡をたどり、作品に隠された”秘密”を知ることができるというのだ。

 このプロジェクトについて、事務局から興味深い話が飛び出した。2009年の「ハイドン・プロジェクト」のさなか、楽団員たちに向かって、「次はベートーヴェンだからね」と、ブリュッヘンが口にしたというのだ。まだ制作側も何も知らない(取り決めしていない)時期にである。それが可能なほど、ブリュッヘンと新日本フィルは互いに理解しあい、何でもできる可能性をもった蜜月関係にあることを示す逸話だ。こうした関係もあって、新日本フィルがフランチャイズする、すみだトリフォニーホールも新日本フィルとブリュッヘンを全面的にバックアップ、およそ一ヶ月にわたりホールをこのプロジェクトのために提供、チケット購入者には該当公演のリハーサルも公開するという、画期的な試みまでなされる。

 4夜にわたり集中的にベートーヴェンの交響曲に耳を傾け、巨匠がたどり着いたベートーヴェンの秘密を垣間見られる、またとないチャンスがすぐそこに迫っている。
 なお、ベートーヴェン交響曲全曲演奏会で聴衆を熱狂の渦に巻き込んだであろう巨匠ブリュッヘンは、2/21サントリーホールでも交響曲第8番と9番を披露、引き続き2/26,27すみだトリフォニーホールでの定期演奏会では、バッハ《ロ短調ミサ曲》で再登場する。
 「ベートーヴェンとバッハは2人の巨人、比類なき偉大な作曲家」と語るブリュッヘンが、ベートーヴェン・プロジェクトと同様、全精力を傾けた超絶な名演になるであろうことは疑う余地もない。

 このほか、2011-12シーズンについても音楽監督のクリスティアン・アルミンクから説明があった。こちらの詳細はまた近々ご紹介したい。

(文:唯野正彦)
*この記事は、株式会社エンタテインメントプラスの許諾のもと、e+CLASISIXから転載したものです

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