五嶋みどり&オズガー・アイディン デュオ・リサイタル 2011

日本の誇る世界的ヴァイオリニスト五嶋みどりが、久しぶりにリサイタル・ツアーを開く。五嶋みどりは、こちらもすでに世界的なソリストとして有名になった五嶋龍の姉だ。

 1986年、タングルウッド音楽祭にてレナード・バーンスタイン指揮ボストン響と共演した際、2度もヴァイオリンの弦が切れるというハプニングが起きたにもかかわらず、即座にコンサートマスターの楽器と交換、音楽を中断することなく無事乗り切るという神業を披露した。バーンスタインが彼女を抱きしめる写真とともに、ニューヨーク・タイムズでは「14歳の少女、タングルウッドを3挺のヴァイオリンで征服」という見出しで大きく報道されるなど、アメリカ及び、世界中にニュースが配信されたことは、いまだ記憶に新しく、彼女の語り草ともなっている。
 11歳でニューヨーク・フィルと共演以来、小澤征爾、クラウディオ・アバド、サイモン・ラトル、マリス・ヤンソンス、ヨーヨー・マ、ベルリン・フィル、ウィーン・フィル、パリ管、コンセルトヘボウ管などと共演するなど、世界トップクラスでの演奏歴には枚挙にいとまがない。
 さらに、音楽を通じた社会貢献活動にも情熱を注いでおり、1992年、十分に音楽教育の行われていない公立校に通う生徒を対象に、音楽の楽しさを伝える非営利団体「Midori&Friends(みどり教育財団)」をアメリカと東京に設立。2002年から日本では、NPO法人「ミュージック・シェアリング」として「みどり教育財団」の活動を引き継ぎ、2006年よりアジア圏でもICEP(インターナショナル・コミュニティー・エンゲージメント・プログラム)を展開するなど、彼女の活動は多くの人たちから支持を集め、拡がりを見せている。

 今回のリサイタル・プログラムは、彼女自身「類稀なる名曲です。速いパッセージや激しい旋律、ピアノとの掛け合いが多く、演奏をする際には、私はいつも純然たるエネルギーに圧倒されると同時に激情を抑えるのに苦労します。技術的にも高度なテクニックが要求され、演奏者には精神的にも体力的にも極度の緊張が強いられます」と語るベートーヴェンの名作〈クロイツェル〉ソナタを中心に2つのプログラムを予定している。

 モーツァルト、ブラームスといったクラシックの王道から、得意とするフランス音楽のラヴェル、そしてヤナーチェクと、名作をずらり並べてきた。今回、「デュオ・リサイタル」と銘打っているように、共演するピアニスト、オズガー・アイディンのピアノにも注目したい。
 1997年ミュンヘン国際音楽コンクール・ピアノ部門で最高位を受賞、ザルツブルク音楽祭にも出演するなど、ヨーロッパを中心に活躍、ベルリン・フィル首席ヴィオラ奏者清水直子の夫でもあり、清水とのリサイタル共演でもその演奏は高い評価を受けた。
 いま望みうる最良のパートナーとともに、特に首都圏では久しぶりのリサイタル。
 どんな新たなヴァイオリンの魅力をみせてくれるだろうか。

(文:唯野正彦)

*この記事は、株式会社エンタテインメントプラスの許諾のもと、e+CLASISIXから転載したものです

◆出演
五嶋みどり(ヴァイオリン)、オズガー・アイディン(ピアノ)

◆曲目
6月15日(水) 19:00開演 横浜みなとみらいホール 大ホール
《プログラムA》
モーツァルト:ピアノとヴァイオリンのためのソナタ イ長調 K.526
ブラームス:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ 第1番ト長調「雨の歌」 Op.78
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第9番 イ長調「クロイツェル」 Op.47
ほか

6月20日(月) 19:00開演 サントリーホール 大ホール
《プログラムB》
モーツァルト:ピアノとヴァイオリンのためのソナタ ト長調 K.301
ヤナーチェク:ヴァイオリン・ソナタ
ラヴェル:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ ト長調
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第9番 イ長調「クロイツェル」 Op.47
ほか

◆チケット申込み

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