フランチェスコ・トリスターノ ピアノ・リサイタル

©Aymeric Giraudel

フランチェスコ・トリスターノ。この名を知るクラシック・ファンは残念ながら、まだ数少ないかもしれない。どちらかというと、テクノ、ジャズ、・・・といったファンによって以前から注目されているアーティスト。
しかし、その素顔は、テクノ音楽、ジャズ、作曲家、指揮者、ピアニスト・・・と恐ろしいほどに、いくつもの顔をもつ異才・鬼才なのだ。
鬼才と言われる(た)ピアニストはこれまでにも何人かいる。でも、トリスターノはこれまでの鬼才とは次元が違う。異次元の“超鬼才”なのだ。
 
どこがほかのピアニストと違うだろうか?
まずは彼の音色。硬質な氷のような音でありながら、何とも言えないパッションと煌めきがある。そして、演奏会でのプログラミングと演奏手法がじつに絶妙なのだ。自作とともに、古い時代(バロック以前)の作品や現代の音楽を並べ、それらがまるで組曲であるかのごとく、音色、メロディー、和声、リズムを巧みに絡み合わせ、途切れなく、ひとつの塊とし、それらがまるで「対話」しているかのように聞こえてくるように演奏する。だから、聴き手は否応にも時空を超えた音楽を眼前に奏でられ、トリスターノとともに音楽を、時代を旅することになるのだ。

 

テクノ・ファンの間では「シュリメ」の名前のほうが通りがいいかもしれない。今回ドイツ・グラモフォン(ユニバーサル・クラシック&ジャズ)から初CD『bachCage(バッハケージ)』をリリースするのを機に、「フランチェスコ・トリスターノ・シュリメ」から「フランチェスコ・トリスターノ」の名とし活動することにしたそうだ。だから何?ってことはない。彼の音楽に変わりはないが、心機一転、彼なりの何か想いがあるのかもしれない。

©Aymeric Giraudel

今回の演奏会のなかでは、まず、自作とバッハの“対”を最初と最後に置き、間に16世紀のギボンズと20世紀を代表するケージを並べるという絶妙なプログラムが目を引くHakuju Hallでの公演、そして、彼自身「DJのように切れ目のないプレイリストとして構成されている「2011年の音のインスタレーション」のような形」と言う、『bachCage』で魅せた世界をベースにした期待の公演が、津田ホール他で披露される。また、ドビュッシーやムソルグスキーの《展覧会の絵》など、これまでにない新たな魅力も垣間見られる演奏会もあり、楽しみだ。
(文:唯野正彦)

 

 

■2011年 フランチェスコ・トリスターノ日本公演スケジュール

6月7日(火)19:00開演 東京・Hakuju Hall プログラムD
主催:ユーラシック
◎お問合せ : ユーラシック 03-3481-8788
◆チケット申込み
※下記WEBからもお申込みいただけます(外部サイトにリンクします)

チケットぴあ http://pia.jp/t
(Pコード128-595)

6月10日(金)19:00開演 電気文化会館 ザ・コンサートホール プログラムA
主催:電気文化会館
◎お問合せ : 電気文化会館 052-204-1133

6月16日(木)14:00開演 逗子文化プラザホール  プログラムB
主催:逗子文化プラザホール
◎お問合せ:逗子文化プラザホール 046-870-6622

6月17日(金)19:00開演 大阪倶楽部  プログラムC
主催:コジマ・コンサートマネジメント
◎お問合せ :コジマ・コンサートマネジメント 06-6241-8255

6月18日(土)19:00開演 山口・周東パストラルホール プログラムB
主催:パストラルホール 
◎お問合せ :パストラルホール 0827-84-1400

6月30日(木)19:00開演 東京・津田ホール プログラムA
主催:津田塾大学
◎お問合せ :津田ホール 03-5355-1299
◆チケット申込み
※下記WEBからもお申込みいただけます(外部サイトにリンクします)
チケットぴあ http://pia.jp/t
(Pコード131-690)
CNプレイガイド http://www.cnplayguide.com/

【プログラムA】(曲目が変更となりました)
フランチェスコ・トリスターノ:イントロイト(インプロヴィゼイション)
J.S.バッハ:パルティータ第1番変ロ長調BWV825
ジョン・ケージ:ある風景の中で
J.S.バッハ:デュエット第1番ホ短調BWV802
      デュエット第2番へ長調BWV803
      デュエット第3番ト長調BWV804
      デュエット第4番イ短調BWV805
ジョン・ケージ: 四季
J.S.バッハ: パルティータ第6番ホ短調BWV830
フランチェスコ・トリスターノ: グラウンドベース

【プログラムB】
クロード・ドビュッシー:映像 第1集
            水に映る影
            ラモーをたたえて
            運動
J.S.バッハ:パルティータ第6番ホ短調BWV830
***
ジョン・ケージ:ある風景の中で
ムソルグスキー:展覧会の絵

【プログラムC】
J.S.バッハ: パルティータ第1番変ロ長調BWV825
J.S.バッハ: パルティータ第6番ホ短調BWV830
ムソルグスキー:展覧会の絵

【プログラムD】
フランチェスコ・トリスターノ KYEOTP“introduction”
J.S.バッハ: パルティータ第1番変ロ長調BWV825
ジョン・ケージ:ある風景の中で
オルランド・ギボンズ:5つの作品
J.S.バッハ: パルティータ第6番ホ短調BWV830
フランチェスコ・トリスターノ:シャコンヌ〜クラウンド・ベース〜(2004)

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