【速報】リッカルド・シャイー 記者懇談会から(前半)

3/4,5サントリーホールでのライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団日本公演を前に、3月3日(木)記者懇談会が開催された。
そのなかから、主な発言をピックアップ。

【出席者】
・リッカルド・シャイー (ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 第19代カペルマイスター)
・アンドレアス・シュルツ (ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 事務局長)
・梶本眞秀 (KAJIMOTO 代表取締役社長)

2011年3月3日(木)ホテル西洋銀座にて

Photo:M.Terashi / iCLASSIC

●ブルックナーの夕べについて

リッカルド・シャイー:
 アジアツアーを東京から始められることをとても嬉しく感じていますが、特筆すべきは、ブルックナーの交響曲第8番をサントリーホールで披露できることです。なぜなら、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団は、ブルックナーの伝統を体現できるオーケストラだからです。アルトゥール・ニキシュがカペルマイスター(楽長)の時代、第7番の初演を行って以降、ライプツィヒという街が、ブルックナー演奏の中心都市であると自負してきました。
 第8番は、ブルックナー自身が完成をみることができた、最後の作品で、彼の到達点です。

●オール・ドヴォルザーク・プロについて

リッカルド・シャイー:
 これもまたニキシュの功績ですが、ゲヴァントハウス管弦楽団は、当時「現代音楽」であったドヴォルザークを積極的に取り上げました。ドヴォルザークの交響曲第7番のスコアの冒頭には「ハンス・フォン・ビューローに捧げる」という言葉と同時に「ニキシュによってこれがドヴォルザークの代表作であることを認識させてくれたその貢献に感謝する」ということが書かれています。

 ドヴォルザークは独特の色彩感をもった作曲家です。私はドヴォルザークを演奏するときに、できるだけ自己陶酔に陥るような演奏は避けたいと思っています。ドヴォルザークの音楽には民族音楽がベースにあることはみなさんよくご存じと思いますが、あまりにもそこに重きをおく演奏が多いなか、あくまでもそれは出発点であり、もっと深いものがそこにはあると思っています。心を打つ、心を揺り動かす、そんな複雑な心象風景への旅へとみなさんを誘いたいと思っています。

 世界的な一流のヴァイオリニストの一人、レオニダス・カヴァコスを招いての協奏曲も披露しますが、数年前にもアテネで彼と共演し、交響曲第7番とともに取り上げています(これは今回のプログラムと同じで、去る2月の定期演奏会でも取り上げた。*この演奏会の模様は、こちらで全曲視聴できます。)。

 
 このほか、序曲《謝肉祭》も取り上げますが、聴衆のみなさんから、温かで、総立ちになるような熱狂的な拍手をいただければ、アンコールとして《狂詩曲》なども披露できるかもしれません。

アンドレアス・シュルツ:
 ゲヴァントハウス管弦楽団が日本に初来日してから今年で50周年ですが、ドヴォルザークを最後に取り上げたのは、なんと28年前のことでした。なかでも交響曲第7番は演奏される機会の少ない作品ですので、今回の演奏会は、新たな“発見”への旅でもあるのです。

●ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の招聘について

梶本眞秀:
 交通手段の発展で音楽家が世界中を行き来する時代にあって、次第に演奏家の個性が失われてきています。そうしたなかでも、ゲヴァントハウス管弦楽団は、伝統を守り、不思議な力で特別な響きを生み出し、それを継続している、数少ないオーケストラだと思います。
 シャイーさんは若い時分、じつはカラヤンの来日時、アシスタントで来ていました。彼とはそれ以来の長いつきあいですが、実はゲヴァントハウス管弦楽団を指揮してみないかと声をかけたのは、そのカラヤンだったんです。ドイツのオーケストラを若いイタリア人指揮者に振ってみないかと言ったことが今につながり、シャイー&ゲヴァントハウス管弦楽団というすばらしいコンビができあがっている。そう考えると、カラヤンの考えは当時は斬新だったかもしれないけれども、結果的に、正しかったんだと思うんです。何十年も経って答えが出ている、ということをすばらしいなと思っています。

リッカルド・シャイー:
 カラヤン氏はイタリア人の私と古き伝統を守るオーケストラとの“結婚”を、1986年のザルツブルク音楽祭で実現させたのですが、そのことを誰よりも私自身が驚きました。その当時、私は次のシーズンからのロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団常任指揮者就任を控えていましたが、16年間の就任ののち、またゲヴァントハウス管弦楽団にもどり、こうしてカペルマイスターとしてともにしていることを感慨深く思っています。そして、カラヤン氏からうけた言葉を肝に銘じ、この世界最高のオーケストラとともに、この地で腰を据えてやってみようと思ったのです。

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【参考】ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 日本公演の詳細はこちら

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