東京二期会オペラ劇場《サロメ》アフタートーク採録

東京二期会オペラ劇場 2011年2月公演 R.シュトラウス作曲『サロメ』(2月22,23,25,26日・東京文化会館 大ホール 指揮:シュテファン・ゾルテス/演出:ペーター・コンヴィチュニー)に際して、23日、アフタートークが行われた。その模様を採録した。

演出家P.コンヴィチュニー(左)、『サロメ』公演監督多田羅迪夫(右) 写真提供:東京二期会

■『サロメ』アフタートーク
2月23日(水)公演終了後 
会場:東京文化会館大ホール内 
出演:ペーター・コンヴィチュニー
(司会)多田羅迪夫(『サロメ』公演監督)(通訳)蔵原順子

■コンヴィチュニー 1905年頃、サロメの戯曲を書いたオスカー・ワイルドにとって、また、作曲したR.シュトラウスにとって、何が魅力だったのか。ワーグナーは「タンホイザー」の何に魅力を感じたのでしょうか。あるいは、ヴェルディは、エジプトの何に関心を抱いたのか、プッチーニは「蝶々さん」の何に心惹かれたのでしょうか。
 
 アジアの人々がどのような問題を抱えているかということを、ヨーロッパの人々がつかむことはできない、ということをわれわれは認識しています。ですから、蝶々さんは、ヨーロッパ人に対して、男と女の愛について、教えてくれる存在なのです。
 しかしながら、世の中のグローバル化が進む中で、われわれ全員に何かしら訴える、誰もが何かしら理解できる作品になりつつあるのもたしかです。

 R.シュトラウスは、当時、《サロメ》の代わりに何か違う作品を書いてもよかったのです。それでも《サロメ》を書いたのは、自分が生きていた時代、社会、文明のなかで感じたことを、何かしら述べることができる作品だと感じたからなのです。当時考えていた女性との関係ですとか、女性との関係にどういう意味を見いだすのか、そうしたことが、彼の心をとらえたのです。自分のために、同時代人のために書いたのです。

 このような作品、音楽がついた作品は複雑です。テキストには3つのレベルがあります。1つは「音楽」2つめに「歌詞」そして、もうひとつが「ト書き」と言われるものです。

 私が常々主張していること、そして、私自身の体験からも、そのなかで一番重要なのは、「音楽」です。音楽が何よりも一番多くの情報をもたらしてくれます。それに次いで、音楽に迫るほどに大事なのが、歌詞です。そして、かなりそこから順位をさげますが、その先にあるのが「ト書き」だと思っています。
 
 3つのテキストのなかで、すぐに失われてしまうもの、意味を変えていくもの、それが「ト書き」です。
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